医学部の教授とは、大学内での最大権力者であり、運営にも携われるあこがれのような存在です。
昔放送されていたドラマ「白い巨塔」では、医学部の教授選について触れていたため、医学部教授のイメージがなんとなくついている方も多いはず。
しかし、医学部の教授は一般の会社員の定年年齢よりも働いているイメージがありますよね?
医学部の教授に定年はあるのでしょうか?さらに、定年退職後はどのようなキャリアがあるのでしょうか?
何歳まで働いてるの?退職したあとは何するの?
そこで、本記事では、医学部教授の定年、退職金や定年後のキャリアについて説明しています。
医学部の教授には退職後も色々な道がある!
医学部教授の定年は65歳~75歳
医学部の教授の定年は65歳〜75歳ほどだと言われています。
教授の定年は、厳密には決められていません。
国立大学の教授は実質公務員的存在ではありますが、本当の公務員ではありません。
そのため、大学教授に公務員法が定められているわけではないです。
しかし、一般的には65歳で教授を退官される方もいますし、65歳を目前に退官される方もいます。
一方で、65歳を超えた後も教授を続ける方もいます。
そのため、医学部教授の定年は、平均して65歳~75歳だといえるでしょう。
医学部教授の退職金は大学によって異なる
医学部の教授が退職する際、受け取る退職金の値段は所属している大学によって異なります。
一般的には退職時の給料、勤続年数や退職する理由などで値段が決まります。
しかしながら、一つひとつ大学のルールを確認するわけにはいきません。
ここでは大きく分けて、国立大学と私立大学に分別し、解説します。
- 国立大学の医学部教授の退職金は大学間でほぼ同じ
- 私立大学の医学部教授の退職金は大学によって異なる
国立大学の医学部教授の退職金は大学間でほぼ同じ
国立大学間で、教授の退職金に差はありません。
国立大学は国が設立したものであり、独立行政法人の一つである国立大学法人が運営しています。
つまり、国立大学教授は公務員ではないのです。
しかし、実際には公務員に近い存在ともいわれているため、ほぼ公務員と同じ待遇です。
そんな国立大学の教授は「ほぼ公務員」であるので、ある程度であれば公務員法が適用されており、比較的安定しているといわれています。
要は、国立大学であればどこも同じ条件だといえます。
そのため、所蔵している大学が異なっていたとしても、国立大学ならば退職金はほぼ同じです。
私立大学の医学部教授の退職金は大学により異なる
私立大学は国立大学と異なり、所属している大学により退職金は異なります。
私立大学は大学法人や企業が運営している大学です。
そのため、私立大学の教授は団体職員もしくは会社員と言えます。
そこが国立大学と異なる点ですね。
私立大学の退職金は積み立て制となっています。そのため、安定的に退職金がもらえるので安心です。
しかし国立大学とは異なり、どの私立大学も財政が同じわけではありません。
そのため、私立大学は所属する大学によって、退職金が異なるのです。
国立大学も私立大学も安定して退職金はもらえます。
退職金の算出の仕方は、どちらも「勤続年数」「退職時の給料」を基にします。
その点は、同じだといえるでしょう。
長く在籍すればするほど、国立も私立も退職金は上がる!
医学部教授が退職金をもらうときの注意
退職金を受け取るとき、他の大学に移籍した場合と、年金を受け取りながら退職した場合によって、注意しなければいけない点があります。
注意点を確認することで、後々役に立つことがあるかもしれません。
- 他の大学に移籍した場合の注意点
- 年金を受け取りながら退職した場合の注意点
他の大学に移籍した場合の注意点
他の大学に移籍した場合、以下2つにおいて対応が異なります。
- 国立大学から別の国立大学へ移籍した場合
- 国立大学から私立大学、または私立大学から別の私立大学へ移籍した場合
退職金を受け取る際、基準となるのが「勤続年数」だとお伝えしました。
この勤続年数の数え方は、上記2つの間で異なるのです。
まず、国立大学から別の国立大学へ移籍した場合についてです。
この場合、制度が同じである「国立」大学同士なので勤続年数に変化はありません。
例えば、A国立大学に10年在籍し、B国立大学へ移籍したとしても、勤続年数はそのまま引き継がれる、という事です。
そのため、A大学B大学合わせた勤続年数で歳出されます。
一方、国立大学から私立大学、私立大学から別の私立大学へ移籍した場合です。
上記でも述べた通り、私立大学は大学の種類によって退職金も異なります。
簡単に説明するのであれば、A会社からB会社、公務員からA会社へ転職することと同義です。
以上のことから、私立大学の場合は移籍する時点で勤続年数がリセットされます。
まとめると、以下の通りです。
- 国立大学間同士での移籍なら勤続年数は引き継がれる
- 私立大学から別の私立大学、国立大学から国立大学の場合は勤続年数がリセットされる
移籍を考え始めたときは、上記の通りに勤続年数について考えましょう。
移籍するタイミングも大切!
年金を受け取りながら退職した場合の注意点
年金を受け取っている場合の退職にも、注意が必要です。
例えば、A大学の定年は65歳だった場合。
A大学で65歳まで働いた後、A大学よりも定年が長いB大学へ移籍したとします。
その場合、年金を受け取りながら働くことが可能です。
しかし、年金を受け取ってしまうと給料が下がったり、退職金が減少してしまう恐れもあります。
もしも、年金を受け取りながら働いてしまったら上記のようなことになりかねません。
年金を受け取る際は、所属している大学のルールなどを確認しましょう。
医学部教授の定年後は?再就職する?
医学部教授が定年したあとは、どのようなキャリアが待っているのでしょうか。
医師は「生涯現役」とも呼ばれています。
医師免許に期限はなく、実際に105歳で死ぬ直前まで現役で働いていた医師もいました。
このことからも、医師に年齢は関係なく定年退職後も働けると思いますよね。
では、医学部教授は定年後どのようなキャリアを築くのでしょうか。
医学部教授の退職金は、平均して3000万円といわれています。
一般の会社員から見たら充分な金額ではありますが、悠々自適に老後を過ごすと考えた場合、少ない金額ですね。
このことから、殆どの方が再就職をする決断をしています。
定年後医学部教授の再就職には種類がある
では、定年後の医学部教授の再就職先には、どのような場所があるのでしょうか。
本記事では、以下4つについて説明します。
- 雇われ院長になる
- 産業医になる
- 非常勤講師になる
- セミナー講師になる
雇われ院長になる
近年は、定年後の医学部教授が地方の病院の院長として雇われることは、必ずしも一般的ではなくなりました。
しかし、地方の病院は医師を確保すること自体が大変です。
そのため、地方病院は関係のある大学医局とパイプをもち、必要な医師を派遣してもらうことで運営ができています。
そういった点から、地方病院は常に大学病院とコネクションがほしいと思っています。
そして、まだ働きたいと言っている医学部教授がいた場合、その再就職先として地方病院があればお互いの利害が一致しますよね。
このことから、医学部教授は定年後、雇われ院長という形で再就職ができます。
今回の場合、医学部教授が定年した後の再就職先としてご紹介しましたが、退職前の若い医師や准教授が行く場合もあります。
地域医療を維持したいと考えている場合もありますし、医学部教授の再就職先としてだけ存在するわけではないことを、ご理解ください。
地域医療のために雇われ院長になる若い医師もいる!
産業医になる
産業医になる場合もあります。
産業医は企業の従業員たちの精神面や健康面において、診断をする医師のことです。
産業医は、労働安全衛生規則に則り5つの業務があります。
- 毎月1回以上の職場の巡視
- 作業環境による健康リスクの評価・改善
- 労働者への健康教育
- 各事業場の設置する衛生委員会への参加
- 毎年1回以上の健康診断
産業医の仕事に治療は含まれていません。
上記からもわかる通り、「健康」に重視した予防医療がメインです。
そのため、第一線を退いた後の医学部教授にも、産業医は再就職先として挙げられます。
非常勤講師になる
そのまま大学に残り、非常勤講師になる方もいます。
しかし、近年は少子化が進んでおり、学科や学部の統廃合も頻繁に行われています。
そのため、非常勤講師をしようと思っても、そのポストが存在しないことがあります。
このことからもわかる通り、大学を定年で退職した後、簡単に非常勤講師になれるわけではないので注意が必要です。
セミナー講師になる
定年退職後、自身の研究成果を発表するため、セミナー講演会を開く方もいます。
専門知識が豊富にあるのが教授のメリットです。
自身の大学や他大学などで積極的にセミナーを行うことも医学部教授ならではの再就職先ですね。
一般会社員が定年退職後に就職するときと比較しても、医学部教授であれば幅広い道を選ぶことが可能であると分かります。
まとめ:大学により退職金は異なる!退職後のキャリアは事前に考えておいた方が良い!
医師は「生涯現役」を可能とする数少ない職の一つです。
定年という概念自体ありませんが、教授としての定年は大学によっても様々。
しかし、平均して65歳~75歳で定年退職する方が殆どです。
医学部教授は一般の会社員に比べても退職金が多いですが、悠々自適に過ごす老後を考えると、少ないと考える方も…。
そのため、定年退職後は再就職する方も多いです。
医学部教授は専門知識が幅広く、再就職先に困りません。
チャンスを有効に使い、定年退職後のキャリアも確実なものとしましょう!
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