文系研究者を彼氏に持つと、なかなか苦労することも多くあります。
特に、まだ専任になれずに任期付きの助教をしていると、忙しすぎてデートもままならなかったり、収入や将来が不安になったり…。
彼のことは好きだけど、
- このまま結婚できるのか
- 結婚しても家庭を築けるのか
- 子どもを持てるのか
心配が尽きないという人もいることでしょう。
この記事では、助教を彼氏に持つある女性の悩みを紹介します。
そして、文系研究者である私が、助教の忙しさとその理由について解説しながら、結婚するにはどんな解決法があるのかを考えてみます。
助教の彼氏が忙しすぎる件
助教の彼氏は、やらなければならないことが多く、とても忙しそうです。
そんな彼の平日・休日の生活スタイルを見てみましょう。
任期付き助教の彼氏の生活
彼女の目線から見た助教の彼氏の生活はこんな感じです。
- 平日はほとんど会えず、電話もなかなかできない。時々徹夜もしている。
- 土曜日は家で仕事をしている。
- 土曜日の夜に遊びに行くと、家事や資料の片付けを手伝うこともある。
- 日曜日も学会や仕事での外出が時々ある。
- デートらしいデートは半年に1回くらい。
- 彼とは大学で出会って、研究への姿勢は尊敬している。
- 私は32歳、彼は33歳。結婚を考えているが、なかなか話ができない。
悩ましいですね。忙しくてなかなか会えないしデートもままならないけど、彼氏とは結婚を考えているほどなのですね。しかし、彼には余裕がなくて話も持ちかけられそうにありませんし、状況が停滞している感じですね。
助教の彼氏の懐事情
では、そんな彼の懐事情はどんな感じなのでしょうか?
彼女の目線からはこんな風に見えています。
- スーパーへの買い出しに付き合うと、節約していて、生活感はある。
- 時々小さなスイーツを買ってくれたりもするから、ギリギリの生活ではないと思う。
- ただ、身なりには無頓着。お金がもったいないからと、なかなか新しいものを買わない。
- 正直、彼氏の懐事情がまったくわからない。結婚を考える上でとても重要な点だけど。
着るものに無頓着な研究者というのは結構いますね。そこまで気を使わないというか、気にしていないというか。
でも、「お金がもったいない」と言われると心配になりますよね。貯金できているのかどうかもわからないし、聞けませんよね。
生活には困っていないようですが、一体どんな感じなのでしょう。
文部科学省が集計している「学校教員統計調査」では、助教・助手の年収は400~600万程度です。この額であれば、家計のために少しは働くかもしれないけれども、大きな不安はないというところでしょうか。
ただ、助教は任期付きの職であるため、次の仕事が見つからないと無収入になってしまいます。彼氏が節約したり「お金がもったいない」という背景はここにあると考えられます。未来のことを考えて節約しているのなら、計画的できっちりした彼氏さんですね。
助教の彼氏が忙しすぎる理由
では、助教の彼氏が忙しすぎる「理由」についてみてまいりましょう。
ここではまず、助教の仕事内容についてご紹介しながら、どのくらい働いているのかを確認していきます。
助教ってどんなことをする仕事?
では、任期付き助教というのは一体どんなことをするのでしょうか?
私の知る範囲で、その仕事や生活を紐解いていきます。
任期付き助教というのは、決まった年限だけ雇用される助教で、特定のプロジェクトを遂行するという役割を任されています。授業を1コマか2コマ持たせてもらうこともあります。
仕事内容はその雇用先の部局によってさまざまです。
例を挙げるとメイン業務はこのような感じです。
- 同じ立場の同僚と協力して1つのプロジェクトを進める
- 教授の下請けで研究を行う
- 学生のレポート執筆などの指導を行う
しかし、名目はこのようになっていても、実に多様な業務をこなすことが求められます。
研究に関連することとしては、研究資料集め、データのまとめ、報告書の作成、論文執筆、セミナーの運営、広報、プロポーザルの草案作成などです。
この他、学生の世話を任されることもありますし、教授の授業資料のコピーや電話番、領収証の整理、などもする場合もあります。
結果的に、1日の仕事時間としては、朝9時に出勤したとして17時に仕事が終わることはなく、数時間は残業をすることになるでしょう。昼休憩にゆっくりとランチを取ったり、他の人と研究の話をしながらコーヒーを楽しんだり、なんて優雅な時間は訪れようもありません。
なぜ業務が忙しくなるの?
任期付き助教が多忙になる理由として、以下4つが考えられます。
- 真面目すぎる
- 「やりがい搾取」の横行
- 労働管理の感覚の欠如
- 「こき使い」の再生産
1つずつ見ていきましょう!
①真面目すぎる
助教は多くの場合、特定のプロジェクトに対して雇用されています。
それが成功しなければ、自分の名前やその部局の名前、ひいては大学の名前に関わる、という感覚が生じます。
研究者というのは非常に真面目で、自分の納得のいくまで仕事をする傾向にあり、それがいきすぎることがあります。
研究業界というのは狭いので、失敗すれば次の就職に悪影響になる、という考えも生じてしまうんですよね。
②「やりがい搾取」の横行
プロジェクトを任せる側としては、ただその仕事を全うしてほしいという思いだけではなく、その助教のことを思って重要な仕事を任せたりすることもあります。
そうすると知らず知らず、「この仕事で名前が残るといいよ」とか、「せっかくだから、自分のためになるからこの仕事を頑張ってみて」という言葉をかけたりしてしまいます。
そんなことを言われると、ついつい助教は頑張りすぎてしまいます。
③労働管理の感覚の欠如
助教は、それ以前にフルタイムで働いた経験のない人がほとんどです。なので、どれくらい働くのが適切なのか、どこまでいくと働きすぎなのか、世間的な常識がわかっていないこともあります。
仕事を任せる側も同じく、一般的な就労経験がないため、部下の労働環境を管理する、改善するという発想がないことが多いのです。
これでは働きすぎが生まれてしまいますよね。
④「こき使い」の再生産
上司側も、過去に自分が同じような立場で仕事をしてきた経験があったりします。昔で言う「助手」の職位です。
その頃に自分が上からこき使われてきた経緯があるので、同じようなことを押し付けてしまうという構図が生じます。
自分の研究だっておろそかにできない!
助教は、職場での仕事だけをするわけではありません。
自分自身の研究は、仕事以外の時間に進める必要があります。仕事以外の時間というと夜遅く、あるいは休日になってしまいます。
彼女とゆっくり過ごしたくても、今手を抜いてしまうと専任に就職できない、と強迫観念にとらわれることもあるでしょう。
次の就職活動も忙しい!
任期付きの助教は、専任のようにずっとその職場で勤務できるわけではなく、3年や5年、短いと1年など、任期が決まっている職にあります。
3年後や5年後には契約が打ち切られてしまうので、常に次の仕事を探していなければなりません。
ない時間の中で応募書類を書いて、たまに有給を使って面接に行ったりなどしなければなりません。
助教の彼氏が忙しすぎる現状を解決する方法とは?
では、どうすれば現状を解決できるのでしょうか?
いくつか方法を考えてみました!
- 仕事を減らしてもらう
- 自分が養う
- 転職や副業をもちかける
- やっぱりあきらめる
一つずつ解説していきます。
仕事を減らしてもらう
とても勇気のいることですが、仕事を減らしてもらうよう、彼自身が上司にかけあう必要があります。
現在彼が行っている仕事の中で、文系研究者としての彼が行うべき仕事というのはどれくらいあるのでしょうか?中には事務職が担うべき仕事もあることが多いです。
一般企業に勤務する彼女さんなら、どこまでが自分の仕事の範囲として適切なのか、感覚があるかと思います。
話しにくいことではありますが、彼がどんな仕事をしているのか、聞いてみましょう。彼のメンタルヘルスのためにも、過剰な業務や職種に適さない業務は減らしてもらえるといいですよね。
浮いた時間でもっと研究ができたり、ほんの少しでも副業ができたり、彼女さんと会う時間が増えたりすると嬉しいですね。
自分が養う
もしどうしてもその彼と結婚したい、諦められないというのなら、自分自身がしばらくの間養う覚悟も必要です。「糟糠の妻」として、彼を支えましょう。
ただし、何年間は、あるいはいつまでは養っても良い、という条件提示は必要かもしれません。
転職や副業を持ちかける
本当にすぐにでも結婚したいのなら、まずは話をしましょう。
女性として、年齢のことが気になるかもしれませんし、子どもがほしいという気持ちもあるかもしれません。なぜ彼と本気で結婚したいのか、相手は研究者ですので理詰めで話をする必要があります。
その上で、彼が結婚に賛同してくれるならば、生活にどれくらいお金がかかるのか、プレゼンをしましょう。
彼が既にその額を稼いでいるというならあまり心配することはないかもしれませんし、そうでなければ転職や時間のかからない副業の必要性をほのめかしてみてはいかがでしょうか。
やっぱりあきらめる
上で挙げたいくつかの方法を試みても全く効果がなさそう、ということなら、あきらめるという選択肢も視野に入れなければならないかもしれません。
彼女さん自身はなぜ彼に惹かれているのか、それは若くて夢を追っていた頃の彼の面影だった、ということもあるかもしれません。
ここまで解決策をいくつか挙げてきましたが、あくまで参考程度にしてください。もちろん、他にも解決策があるかもしれません。結婚は二人の問題ですので、真正面から話し合いをする必要があります。まずは、時間を作って話をするところがスタートです。
助教の彼氏の忙しさと解決法まとめ
- 多忙すぎる助教の彼氏は、名目以上の仕事を真面目にこなしている可能性がある
- 仕事以外にも自分の研究を行う必要があり、休日もゆっくりできない
- 任期付きの職にあると、常に就職活動をしている状態
- 現状を打破するには、仕事を適切な分量まで減らしてもらうか、自分が養うか、転職や副業をしてもらうか
文系研究者を彼氏に持つと、その仕事などが理由で結婚が遠のくことがあります。文系研究者ならではの事情をできる限り理解した上で、現実的な選択肢を取る必要がありますね。
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