大学の教授ってどんな仕事をしているか知っていますか?
- 研究
- 大学の授業をしてる
- 大学入試の問題を作ってる
いろいろなイメージがあるので大学教授は大変だと感じる方も多いのではないでしょうか。
実は、大学の教授はあなたが思うほどつらくありません。
むしろ好きな研究に打ち込むことができて幸せそうに見えます。講義もありますが、研究する時間もとれているようです。
では、大学教授はどんな仕事をしているのか詳しく解説しながら、あなたの疑問を解消していきましょう。
年間スケジュールや1日の勤務内容を紹介!
多くの大学は、1年を前期と後期に分ける「セメスター制」を導入しています。
つまり、講義や学生の指導は
- 前期:4月~8月
- 後期:10月~2月
の期間に行います。
そのほかのスケジュールを季節ごとに見てみましょう。
- 春:予算交付の申請、プロジェクトの進捗報告書の作成
- 夏:学会、大学院入試
- 秋:学会、プロジェクトの応募
- 冬:入学試験、卒業審査、新学期の準備
こうしてみるとわかりますが、常に大きな業務を抱えながら、自身の研究や学生の教育をしていることがわかりますね。
夏や冬の終わりにようやく時間に余裕が出てくるため、そのタイミングで有給休暇を取得しているようです。
また、意外かもしれませんが、学会が主催する現地ツアーもあり、家族と一緒に学会に参加することで休暇のような時間を過ごす教授もいます。
ある1日のスケジュールも紹介します。
9:00 | 出勤 |
9:00-10:30 | メールの確認、講義や会議の準備 |
10:30-12:00 | 講義 |
12:00-13:00 | お昼休み |
13:00-14:00 | 会議 |
14:30-17:00 | 進捗報告会 |
17:00-19:00 | 研究(論文調査、実験など) |
19:00 | 退勤 |
教育に関する時間が多く、限られた時間の中で研究に取り組んでいることがわかります。
大学教授はどんな仕事をしてるの?
大学教授が行う仕事内容は、3つのカテゴリーに分けることができます。
研究 |
|
教育 | 学生の教育 |
大学運営 | 大学運営に携わる仕事 |
1つずつ詳細を確認してみましょう。
研究
研究者としての1番の仕事は、もちろん研究ですが、具体的にどのようなことをしているか知っていますか?
研究とは
一般的に大学における研究の成果は、論文の出版です。
NatureやNewton、Scienceといった学術雑誌の名前を聞いたことはありませんか?
学術雑誌を出版している学会や出版社に、研究成果をまとめた文書=論文を投稿し、採用されれば掲載されます。
漫画家さんが、ジャンプやマガジンに応募して、連載されるようなイメージですね。
ノーベル賞などは、出版された論文から判定されていることがほとんどです。
では、その論文はどのようにして書いているのでしょうか。
論文が完成するまで
論文は、
- すでに出版されている論文を読み、過去に行われている研究を調査する
- 仮説を立てて、理論・実験・シミュレーション・実地調査をもとに検証する
- データを集め、その結果を考察する
をまとめることで完成します。
研究分野にもよりますが、年間に3~4本執筆している先生が多いです。
日本語だけでなく英語で書くこともあり、3か月に1本を目標に成果を集めて論文としてまとめています。
学会って?
論文を出版することだけが研究活動ではなく、学会に参加し、周りの研究者と議論することもあります。
学会では、自身の研究成果を発表し、仮説や検証が正しいかを議論します。
同じ分野の研究者が集まっているため、情報交換も行いながら新たな学術を確立していきます。
研究資金はどこから出てるの?
研究をするためには、実験装置や計算機の費用や実地調査のための交通費が必要となります。
これらのお金はどこから出ているのでしょうか。
一般的には、
- 大学から支給される運営費交付金
- プロジェクトとして採用された公的研究費(日本学術振興会科学研究費補助金など)
- クラウドファンディングや起業
から出ています。
運営費交付金は、毎年決まった額が研究室ごとに支給されますが、地方大学だと微々たるものだと聞きます。
一方、公的研究費は数百万円から数億円にわたって支給されるため、装置や高性能PCを買うことができます。
また、クラウドファンディングやベンチャー企業を経営することで研究費を集めている研究者もいます。
これらのプロジェクトやクラウドファンディングが採用されるためには、業績を数多く出しておく必要があり、学会に参加したり、論文を多く出版したりすることが重要になります。
プロジェクトへの応募やクラウドファンディングには、何十枚にわたる申請書や打ち合わせなどの準備が必要となり、それらも教授の仕事に含まれます。
教育
大学に所属しているので、学生の教育も仕事の一つです。
大学の規模にもよりますが、年間で最低でも4コマ程度の講義を担当しています。
講義といっても、1コマ分だけ仕事をしているわけではありません。講義をするにあたり、教授はたくさんの準備をしています。内容の選定、シラバスの作成、配布物や試験問題の準備、採点などかなりの時間がとられます。
講義だけでなく、自身の研究室に所属している学生の指導もあり、週1回程度行われる研究の進捗報告会や、個人に対して指導も行います。
研究室内には約20人の学生がいるため、1人当たり週に1時間の指導を設けると、20時間割くことになります。
大学運営
大学運営に携わる仕事もあります。例えば、大学入試における問題作成や試験監督、卒業論文の審査を行います。
また、大学の方針を決める会議も行われており、1年間の予定や人事に関することが話し合われます。
普段から、メールを受けることが多く、大学運営やプロジェクトに関するものまで、1日に数10件届くことは当たり前のようです。
大学教授はつらい?
これまで、大学教授のスケジュールや仕事内容を紹介してきましたが、どのような印象をもちましたか?
大変そうなどマイナスな印象を持つかもしれませんが、教授の方に話をうかがってみると、つらいといったことは思っていないようです。
「限られた時間ではあるが、自分の好きな研究を好きなだけできる」
「自分が定めた目標に向かって進み続けられる」
「新たな知見の探求は、自身の内から心が満たされる」
といったように、自由に研究できる環境が教授にとっては幸せのようです。
そのような人たちが集まる学会では、懇親会が盛大に開かれ、各々の研究を熱く語り合い、切磋琢磨しています。
研究が好きだからこそ、自由に研究することができる教授という立場は天職と言えますね。
まとめ
この記事では、大学教授の仕事内容や労働環境を紹介しました。
- 1年中タスクを抱えながら、業務を行っている
- 研究だけでなく、教育や大学運営に関する仕事も行っている
- 自由に研究ができる環境は、大学教授にとって最高の空間
この記事を読んで、大学教授に対する印象は変わりましたか?
研究が好きな人は、教授が一つの夢になると思いますが、最先端の研究を自分の手で進められる環境です。
好きなことや興味のあることをする中で大きな成果が得られた時の達成感は絶大です。
大変なこともありますが、将来の夢を考えるうえでこの記事が参考になれば幸いです。
コメント