「なにがなんでもうちの子!」
「どうしてうちの子だけ!」
度を越したクレームを入れる親、通称“モンスターペアレント”、あなたの近くで見たことはありますか?
米倉涼子主演のドラマ「モンスターペアレント」は2008年に放送され、当時大きな話題となりました。
あなたが想像するモンスターペアレントは、ドラマに出てくるような小学生や中学生の親ではないでしょうか?
驚くかもしれませんが、最近では小学校や中学校に限らず、大学にもモンスターペアレントが現れるようになりました。
この記事では、モンスターペアレントの対処法と大学で実際にあったクレームを紹介します。
モンスターペアレントはどう対処すべき?
モンスターペアレントの対応は本当に疲れますよね。
本来の業務ではないかもしれませんが、教育機関のサービスに対する要求が高まっているのも現状です。
モンスターペアレントが来た場合は、「問題や要求を大きくさせない、長引かせない」ことが重要です。
そのために行うべきことを紹介するので、少しでも参考になれば幸いです。
- 大人数で対応する
- 話を聞くときは否定しない
- 対応する、対応しない内容を明確に!
では、一つずつ確認していきましょう。
大人数で対応する
まずは、モンスターペアレントが来た場合は、大人数で対応するようにしましょう。
そうすることで、
- 客観的に状況を判断することができる
- 精神的な負担が軽減する
- モンスターペアレントが冷静になる可能性がある
といったメリットがあります。
特に、一人で対応していると、
- 話をうのみにする
- 一人で抱え込んでしまう
- モンスターペアレントが一方的に話し、激化する
など悪循環に陥る可能性があるので、注意しましょう。
できれば、職場の上司や専門の部局に協力してもらうことが重要ですが、その場にいる人でも大丈夫です!
とにかく、一人で抱え込まないようにしましょう。
電話がかかってきた場合は、状況や要求を確認し、すぐには対応せずに折り返すようにしましょう。
上司や専門家へ相談し、どのように対応するかを決めたうえで接することが大事です!
話を聞くときは否定しない
モンスターペアレントの話を聞くときは、否定する言葉はNGです!
否定されたと感じると、逆上して要求がさらにひどいものになるかもしれません。
否定ではなく、新たな提案となるような話し方を心がけましょう。
例)「○○はできません。」 → 「□□できますが、いかがでしょうか。」
例)「△△は違います。」 → 「○○でしょうか。」
対応する、対応しない内容を明確に!
モンスターペアレントが要求してくることをすべて受け入れることはできません。
大学や部局内で、対応する・対応しない内容をあらかじめ決めておきましょう。
また、要求の中には大学が行うサービスの中に代わりとなるようなものもあるかもしれません。
大学が対応できることをできるだけ知っておくことも、モンスターペアレントへの対処法として重要です。
〇大学のサービスとして提供しているものの例
- 奨学金や留学、就職に関する説明会の案内
- 図書館などで行われる単位や授業に関する相談
- エントリーシートの添削サポート
- 生協を介してのアルバイトの斡旋
×個人的な要求、大学サービスを超えているものの例
- 学生の生活管理
- 要件を達していない単位を与える
- 学費を払わない
実際にあったモンスターペアレントからのクレーム集
私の知り合いである大学の事務職員が体験した話を聞くことができたので紹介します。
- 事例1:「うちの子がどこでなにをしているか管理して!」
- 事例2:「どうしてうちの子に単位が出ないの?」
事例1:「うちの子がどこでなにをしているか管理して!」
ある時、こんな電話がかかってきたそうです。
うちの子と連絡がとれないんだけど、どこにいるか知ってる?
当たり前のことですが、学生がどこにいるかなんて大学職員が知っているわけありません。
申し訳ございませんが、存じ上げません
授業には出席しているの?
大学から連絡を取ってくれないの?
お金を払ってるんだから、うちの子がどこでなにをしているか管理して!
などとクレームや無茶な要求をし始めたそうです。
一旦電話を折り返すことにし、上司に相談すると、一度事務から学生に連絡をとることになったそうです。
結局、その学生はサークル活動に熱中しており、授業には出ておらず、留年ギリギリでした。
親御さんと連絡を取り、定期的に連絡することと授業にきちんと出ることを約束したので、この問題はすぐに解決されましたが、「大学が管理することではないよね。」と嘆いていました。
事例2:「どうしてうちの子に単位が出ないの?」
ある時は、窓口にこのような方が来たそうです。
うちの子が単位をもらえなかったそうなんだけど、どういうこと?
成績入力に不備があったのか急いで確認してみても、そのようなミスはなく落第でした。
うちの子は真面目に授業に出ていましたよ?
先生の授業がわかりにくいからじゃないですか?
単位が出ないなら、学費を払いたくありません!
と、クレームがひどくなっていったそうです。
そこで、急遽授業を担当している先生と上司、学生を含めて話をする場が設けることになりました。
先生からは、テストの点数が足りておらず落第であったこととどこの理解が足りていなかったかが説明され、その内容に対して学生が同意したため、ほとぼりが冷めたようです。
授業でわからない場合は、先生に質問したり図書館の質問対応窓口に行ったりなどの対処法を提案し、来年度以降に講義を受けることが決まりました。
まとめ
この記事では、大学におけるモンスターペアレントについて紹介しました。
・問題を大きくしない、長引かせないことを心がける
・一人で対応しようとせず、大人数で問題に取り組む
・話を聞くときは否定せず、別角度からの提案を!
・対応する、対応しない内容を明確に!
こういった問題は、レベルの高い大学でも見受けられるようになってきているそうです。
大学と保護者が適切な関係性を保つことが理想ですが、本当に難しい場合は弁護士やカウンセラーなどの専門家に相談するようにしましょう。
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