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文系研究者の働き方と副業のリアル!キャリアについて解説!

人文研究者の副業

文系研究者を目指している人にとって、将来の働き方は不安材料の1つですよね。

あるいは、「いま現在文系研究者だけれど、これからの自分の働き方に悩んでいる」という人も多くいることでしょう。

実際、大学で安定した職に就いている文系研究者はそう多くないというのが現状です。その代わり、さまざまな副業をして生活しています。

この記事では、現役の文系研究者である私が、文系研究者の働き方と副業のリアルに迫りながら、キャリアについて解説します!

文系研究者の働き方ってどんな感じ?

文系研究者は、

  • 大学の専任教員として働く
  • 大学の特任教員として働く

のいずれかで働いています。

ただ、中には研究者としての職につけない方もいます。

詳しく紹介していきましょう。

大学の専任教員として働く

文系研究者を目指している人には、「文系研究者の働き方」と言えば「大学教員」というイメージが強いでしょう。実際そうなることを目指して文系研究者になろうとしている人が多いのは事実です。

しかし、文系研究者の大学教員のポストは厳しい椅子取りゲームのようなものです。「大学で安定した職」に就いている教員のことを「専任教員と呼び、専任教員になれば、任期の定めがなく定年まで働くことができます。
文系の博士課程修了者のうち専任教員になれるのはほんの一部です。

では、文系研究者で専任教員以外の人はどんな働き方をしているかと言うと、大学ならば特任教員か非常勤講師です。

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大学の特任教員として働く

特任教員というのは、週4~5日、大学に勤務して仕事をする教員です。授業を持つ機会もあるけれど、任期が3年とか5年とか(短ければ1年のこともあります)決まっているポストです。
なので、その契約期間が満了になる前に新しい職を探さなければなりません。

大学の非常勤講師として働く

非常勤講師というのは、1コマいくらで雇用される教員のことです。もちろん週に1コマでは食べていけないので、非常勤講師だけで生活するには週に何コマも掛け持ちする必要があります。

が、同じ大学で何コマも持てるということはほぼなく、通える範囲の複数の大学で働く必要があり、通勤時間もかなり使います。その上授業準備もありますので、週何コマも授業を持つと、フルタイムに匹敵するほどの時間と労力を要するわりに経済的にはギリギリという結果が生まれます。

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研究者としての職に就けないことも

もちろん、博士課程を修了しても研究者としての職に就けない人も多くいます。彼らは、非常勤講師に就けるまで、さまざまなアルバイトをして過ごすことになります。

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では次に、文系研究者の副業のリアルに迫ってみます。

文系研究者の副業のリアル!

文系研究者の副業とはどのようなものなのでしょうか。また、おすすめの副業はあるのでしょうか。
ここでは、私自身の経験と、周りの友人・知人らの経験を基に、リアルな情報をお伝えしていきます。

塾講師や家庭教師

最も一般的なのは、塾講師や家庭教師かと思います。「教える」という経験を積むことができますし、時給も悪くありませんよね。

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図書館のカウンター

もう1つ、人気なのは図書館のカウンターです。
図書館に本を借りに行った時に、カウンターで本を読んでいるスタッフを見かけたことはないでしょうか。

文系研究者の多くが本を読むことで研究を進めるので、仕事をしながら研究ができるのは大きなメリットです。もちろん、読書が自由にできるわけではないところもありますし、そもそも図書館スタッフはかなり人気の職なので、副業ながら狭き門ではあります。

分野ごとにおすすめの副業

先に挙げた他、分野ごとに副業を紹介してみたいと思います。

教育系の研究者で教員資格があれば、その科目を小・中・高校・専門学校の非常勤講師として教えるのがベストです。

また、語学系であれば語学学校の教員という選択肢もあります。これらは教える経験を積むことに直結するので、自分の勉強にもなります。

それ以外にも、心理学系で資格があれば非常勤のカウンセラーをしたり、福祉学系ならばケアワーカーという選択肢もありますね。社会学系ならばNPOでのアルバイトも可能かもしれません。

単発のアルバイト

単発のアルバイトも副業におすすめです。

完全に季節労働ではありますが、試験監督や採点などはおすすめです。

確定申告の際の自治体での仕事や、選挙があれば投票所での仕事もあります。社会との接点が少ない人にとっては、こうした仕事は良い社会経験にもなります。

あるいは、学会スタッフの仕事もあります。理系の大きな学会ではスタッフを外部委託しているところがありますので、その会社に登録しておけば、単発の求人案内がメールで届いたりします。
学会では受付や会場の見回りなどがメインですが、空き時間にポスターセッションを見に行ったりもできます。そのため、分野が違っても自分の研究に役立つものを得られることがあり、かなりおすすめです。

大学内でのアルバイト

大学院生であれば、RA(リサーチ・アシスタント)やTA(ティーチング・アシスタント)をするのがベストです。
仕事内容は教員によりますが、

  • その教員が担当する授業の資料準備
  • ミニレポートやコミュニケーションペーパーのチェック
  • 授業の一部で少し話をさせてもらう

などです。

心ある教員であれば複数の院生持ち回りで担当させてもらえることもあります。

おすすめしない副業

最後に、あまりおすすめしない副業についてもお伝えしておきます。

おすすめしない副業は、コンビニ、飲食、引っ越しなどです。
おすすめできないポイントとしては、

  • 体力を使う
  • 接客などでメンタルを使う
  • 時給が安い

といった点です。

文系研究者のキャリアとは?

ここまで、文系研究者の働き方と副業のリアルをお届けしてきましたが、なぜこのような厳しい状況になっているのでしょうか。
また、その中でどんなふうにキャリアを積んでいけばよいのか、考えていきます。

厳しい状況となっている背景は?

まず、この状況の背景を考えてみます。

文系では、理系のように助教やポスドク、研究員といったポストが大変少ないのです。

理系の研究室は、教授1名に対して准教授が1名、助教が1名や数名いるといった構造になっており、助教であれば実験を中心的に担ったり学生の面倒を見る、といった仕事が回ってきます。
しかし、文系の場合はそもそも個人研究が中心になっているため、こういった構造になりにくいという現状があります。

次に、民間企業に目を向けてみますと、理系との大きな違いは、民間企業の研究職というポストが圧倒的に少ないか、ほぼないという点です。理系では、最初から企業の研究職を目指している人もいることでしょう。
文系の場合、それに近い職を挙げるとするならば、民間の専門研究機関や財団などで、学芸員として自身の専門スキルを発揮する道もあります。また、データアナリストとして社会に貢献するといった働き方もあるにはありますが、かなり狭き門です。

文系研究者のキャリアの積み方

では、そのような状況の中で文系研究者はどのようにキャリアを積んでいけばよいのでしょうか。

大学の専任教員を目指すことを想定する場合

専任教員を目指すならば教育業績が前提となります。ここでは、更にもう少し踏み込んで具体的にどんな教育業績が必要なのかを考えてみましょう。

<大学専任教師までの流れ>

  • 応募…教育実績など記入する
  • 面接…模擬授業を行う

専任教員のポストに応募をする際、教育業績について記入する欄があります。

POINT1:自分が「どんな授業をどのように教えてきたのか」をアピールするところです。

また、面接に呼ばれると必ず模擬授業があります。

POINT2:応募先の大学の学生の特徴に合わせてどんな教え方ができるのかを問われます。事前にリサーチをし、まとめておきましょう。

どんなに研究能力が高くても、その応募先の大学で教えることができると判断されなければ採用されないからです。

POINT3:非常勤講師の職にある人ならば、授業の中でさまざまな工夫をしてみましょう。

代表的なものがアクティブ・ラーニングかと思います。そして、応募の際にはそれを十分にアピールすることです。

もし非常勤講師の職に就けていない場合は、塾講師や個別指導、家庭教師など、何か「教える」仕事に就くことが最初の一歩になります。

民間企業で働きたいという場合を想定した場合

既に就きたい職が決まっている場合はそれを目指すことになりますが、そうでない場合(安定を得るために目指すなど)はこれまでの研究経験を生かせる職を探さなければなりません。

POINT1:先に挙げた副業の中で正社員として勤務できるところを探す!

POINT2:自分が培ってきた能力をしっかりと把握しましょう。

文系研究者が研究の中で得るスキルで、民間企業で活かせそうなものを挙げてみます。

  • 研究にPCを用いてきたので基本的なオフィスソフトの使用が得意
  • 英語ができるので、英語を活かす職を探す
  • 本や論文を多く読んできたので、編集や校正に
  • インタビューをしてきたので、ヒアリングを行う仕事

こう見ると、自分の能力を活かせる仕事が見つかりそうな気がしてきませんか?

研究テーマに完全にフィットする仕事というのはなかなか見つかりにくいかもしれません。

しかし、自分の持っている能力を細分化していくと、きっと当てはまる仕事が見えてくるのではないでしょうか。

文系研究者のキャリアまとめ

今回は、文系研究者の働き方と副業について紹介し、キャリアについて考えてみました。最後にまとめてみます。

  • 文系研究者を目指す人で大学の専任教員になれるのは一部の人のみ
  • 特任教員や非常勤講師として必死で働く人も多い。その職に就けない人やそれだけで食べていけない人は、副業で生活する
  • 副業は教える系の仕事や、資格を生かした仕事がおすすめ。体力とメンタルを使いすぎないようにする
  • 文系では理系のように企業での研究職のポストがない
  • 文系研究者で専任教員なら教育業績を大事にして、民間企業を目指すなら能力を自己分析する

文系研究者をしている人、そして文系研究者を目指す人たちの選択肢が広がることを本当に願っています!

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