→相談できる転職サイトへ登録はこちら←

文系研究者って出世できない?文系研究者の出世ルートを解説

人文研究者の仕事

文系研究者を目指す人にとって気になることの1つが、「出世」ではないでしょうか。

民間企業などでは「主任」「課長」「部長」などの職位があり、それらは一般的になじみのあるものとなっています。

「大学での職位やそこまでの出世の仕方はどんな感じかな?」
「そもそも、文系研究者の間で、出世とはどのように定義なのかな?」
と、感じることもあるでしょう。

この記事では、文系研究者にとっての「出世」について具体的に考えてみましょう。
私の周りの人の例なども含めて、そもそも「出世」というものがどのように捉えられているのか、そして王道の出世をするにはどのようなステップがあるのか、解説していきましょう。

文系研究者にとっての「出世」あれこれ

実は、文系研究者にとっての出世とは、多少のバリエーションがあります。以下ではそれらを1つずつ紹介していきましょう。

教授になる!

まずは、「教授になる」。もっとも王道の出世です。研究者の職位の中でいちばん上に位置するのが「教授」です。これはとてもわかりやすく、講師、准教授、教授、とのぼりつめていく方法ですね。この出世ルートについては後で詳しく解説します。

教授になると何が良いかというと、とにかく同じ大学であれば准教授よりも給料が高いということが挙げられます。あとは、良し悪しではありますが仕事の範囲が広がったり、単純に箔が付いたりもしますね。

給料・待遇の良い大学に栄転する

給料や待遇の良い大学に異動するというのも出世の1つです。小さな大学であまり資金が潤沢でない場合、仮に教授にのぼりつめたとしても給料・待遇の面で期待できないこともあります。

そうした場合、大きくて資金のある大学に異動するという方法もあります。必ずしも職位が上がらなくても、大きな出世になります。

異動とは言っても、簡単にできるわけではありません。

公募されているポストに応募して採用…というこれまた時間と手間のかかるプロセスが必要になります。

自分が教えたい大学に異動する

あるいは、自分がこの大学で教えるのが夢だ、という人もいます。

こうした夢を持つ多くの人が希望するのは、自分の出身大学で教鞭をとることです。気持ちはわかりますよね。

また、母校でなくとも憧れの大学があり、そこで教えたいということもあるでしょう。尊敬する研究者がいるのでそこで一緒に仕事をしたいとか、名の知れた大学に勤めたいとか、偏差値の高い大学で教えることが刺激的だと感じる研究者も多くいます。

出世したくないという人も!?

しかし、中には出世したくないという人もいます。民間企業でも最近の若い人はあまり出世欲がない、なんて話を耳にしたりしますよね。

大学でも、出世すると学部運営に携わることになり自分の研究に時間が割けなくなるからとか、教員同士の政治的な派閥に巻き込まれるのが苦手だ、というような理由で出世を望まない人もいます。

とは言っても定年退職まで講師どまり、というような人は少なく、多くの研究者が年数はかかっても何らかの形で出世はしているようです。

では、次に王道の出世ルートについて見ていくことにしましょう。

出世ルート

王道の出世ルートは最終的には教授になるわけですが、すぐに教授になれるというわけではありません。
それまでに経験するのはどのような職位があります。

ここでは、教授に慣れるまでの段階について説明していきますね。

いきなり教授にはなれない

当然のことながら、まず、原則的にいきなり教授にはなれません。

通常の王道出世ルートとは、
非常勤講師 → 助教 → 講師 → 准教授 → 教授
という順序で進んでいきます。

まずは非常勤講師として「教える」という経験を積んでいきます。
その後、専任教員に応募して最初に就くのが「助教」です。そこからは年度ごとの業績などに応じて、また大学内での規程に沿って出世していきます。

このあたりについて詳しく書きたいところですが、非常にデリケートな人事の話になりますので、あまり周りから漏れ聞こえてくることはありません。
が、あまりに業績が少ないと出世できない、という話を聞いたことはあります…。

飛び級出世をしている人も

中には飛び級での出世をしている人もいます。これは「非常にレア」というわけではありません。

どのような時に飛び級出世が起こるかというと、通常は、「本人の能力がとても高いから」とかではありません。
能力のとても高い人でも、最初はその大学内での一番下の職位からスタートするのが普通です。

それよりは、もともとその大学でその時に募集している職位や、その大学で設けている職位の影響が多いようです。

例えば、「助教」職がない大学というのもあるようです。その場合は専任では「講師」からスタート、というわけですね。

また、その募集の時に「准教授あるいは教授」で公募を出していれば、採用された人は低くても准教授になるわけです。
この恩恵にあずかって、非常勤講師から講師になる人や、非常勤講師から准教授になる人というのはある程度います。

また、ごくごくまれにいきなり教授になる人がいます。

これは非常にレアなケースで、有名人とか文化人が大学側に招かれる例ですね。あとは企業での経験が長く、その経験をフルに生かした職務内容であれば就ける可能性はありますが、通常のルートとはかなり異なりますね。

最後に、文系研究者の出世に必要なことが何なのか、確認しておきましょう。

文系研究者の出世に必要なことって?

文系研究者の出世に必要なこと・・・ですが、これを読んでいる方はおそらく文系研究者を目指している人かと思いますので、これから出世ルートに乗る準備をする、という想定で書いてみたいと思います。

まず重要なことは、業績ですよね。そして、時々耳にすることですが、研究費が獲得できている人はかなりの強みになるようです。

2つの業績を積む

文系研究者の業績は、1つは当然ながら研究業績です。査読論文が何本あるか、それらが定期的に出ているかどうかが重要です。分野によって、論文重視のところと、書籍重視のところとがありますので、傾向に応じて業績を強化していく必要があります。

そして、もう1つは教育業績です。今までに教えた経歴や、その中で自分が行ってきたこと、などが重視されます。特に、基礎的な科目をどれくらいわかりやすく教えられるか、アクティブ・ラーニングがどれくらいできるか、などがポイントになるようです。

研究費が獲れる人は強い

文系研究者の出世に必要なもう1つの点は、研究費が獲れることです。
特に科学研究費(いわゆる科研費)は、その研究者の研究にだけ使われるのではなく、一部が大学運営に使われることになってます。
そうなると、研究費を継続的にうまく獲っている人は重宝され、出世に繋がるようですね。

これから出世ルートに乗る人で考えると、学振の特別研究員だとか、民間の研究費を獲る、などの方法があるかと思います。

文系研究者の出世まとめ

  • 文系研究者の出世は、王道は教授になることだが、母校で教えるなど人によって目標はさまざま
  • 通常の出世ルートは、非常勤講師 → 助教 → 講師 → 准教授 → 教授、という流れ
  • 飛び級出世をする人も中にはいる
  • 文系研究者の出世に必要なことは、やはり研究業績と教育業績
  • 研究費を獲得できる力のある人も、大学では重宝されて出世に繋がる

文系研究者の出世とそのルートについて解説してきました!出世の形は王道のものとはとは限りません。文系研究者としてなりたい形が実現できることを祈っています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました