研究が好きで仕事にしたくて、やっとの思いで企業研究職に就いた!
なのに、会社の事情で社内異動に・・・。
残念ながら、こうしたことは実際に起こります。
異動になってまったく違う仕事を担当することになると、自分のスキルが発揮できませんよね。
こんな時、どう考えたらよいのでしょうか?
この記事では、どういった理由で企業研究者の社内異動が起こるのか、そして異動になった場合どのような選択肢があるのかについて解説します。
企業研究者が社内異動になるケースとは?
まず、企業研究者はどんな場合に異動になってしまうのでしょうか?
会社の方向性が変わった場合
- 会社として他の研究に力を入れていきたい
- 会社や部門を縮小せざるを得ない
上記の場合、まったく新しい業務の担当になった場合はこれまでのスキルを生かせなくなります。
あるいは、同じ研究職への異動でも、異なる業務の担当になります。
会社としては売上を出さなければ成り立たないので、力を入れて製品化していきたいものが変わることがあります。
これは大手企業であっても中小企業であっても同様に起こり得る事態です。
経験を積むため
研究だけではなく、多様な経験を積むために異動になる場合があります。
これは、その企業の一員として期待されている場合にも起こり得ます。
研究がよくできて貢献できることはわかったので、次は
- 開発にあたってほしい
- 経営に関するスキルを身に着けてほしい
- 営業も経験してほしい
- 人事にも携わってほしい
ということです。
その会社に心底惚れて終身雇用を望んでいる場合は、本望でしょう。
しかし、純粋にその分野の研究だけをして生きていきたい場合にはあまり幸せとは言えません。
では異動になってしまった場合、どのような対応が考えられるのでしょうか。
企業研究者が社内異動になったら:異動先にとどまる
異動になったとしても、次のような場合は悪い条件ではないでしょう。
これまでのスキルを応用できる
厳密には専門性は違うけれど、自分の持っているスキルを応用して業務ができるという場合があります。
このような場合には異動先の業務を続けられるのではないでしょうか。
研究職という職種は変わらないし、これまでのスキルもある程度生かせる、そして一部新しいことも学べる・・・と考えれば悪い話ではないですね。
新しいスキルに期待できる
これまでと大きく業務が変わってしまう場合もあります。
しかし、その業務を通してスキルを身に付けることで、「新たな挑戦ができる、これまでのプラスになる」と思えるなら、続けていく価値があります。
完全に新たな挑戦になる場合、自分がどういった理由で異動になったのか、上司からよく話を聞くと良いでしょう。
- そのスキルを身に付けることで何が期待されているのか
- 異動先での業務を成し遂げていくことで、会社として、そして個人として何が得られるのか
将来的なビジョンも含めて確認できるといいですね。
もしかしたら、ゆくゆくは管理職として元の部署に戻すというプランもあるかもしれません。
では、こうしたケースに当てはまらない場合、どうすればよいのでしょうか。
企業研究者が社内異動になったら:転職する
自分はどうしてもこの業務を続けていきたいとか、研究職であり続けたい、という場合には、転職という選択肢があります。
同業他社へ転職
1つは、同業他社の研究職への転職です。
自分のスキルをできるだけ生かす、理想的な選択肢ですね。
しかし、同業他社で同じ職種とはいえ、簡単に転職できるわけではありませんので、転職エージェントは必ず利用しましょう。
実は、異動を命じられて転職という選択肢を取る人は多くいます。
ですので、転職エージェント側もそうした理由での転職サポートには慣れていることでしょう。
ただし、転職先でも同様に、数年で異動する可能性もあります。
その場合、短いスパンで転職を繰り返してしまうと履歴書の印象は良くなくなり、ゆくゆく不利になるリスクはあります。
異動の少ない環境へ転職
異動の少ないであろう環境を選んで転職する方法もあります。
研究職として異動の少ない環境は、以下のようなものです。
外資系
外資系の多くは、異動がありません。
基本的にどの分野についてもスペシャリストを採用しており、その業務以外を担当させることはないからです。
研究所
企業ではなく研究所であれば、異動の余地がありません。
ここも専門特化型の採用が行われています。
ただし、幸か不幸か管理職への昇進などはあるでしょうから、いずれプレーヤーからある程度離れる時期はくるでしょう。
アカデミア
究極ですが、アカデミアへの転職です。
異動は一切ありません。
企業研究職からアカデミアへの転職は、少ないながらあります。
もちろん、最低限修士号は持っている必要がありますし、博士号も取れるならば取った方がアカデミアへの転職成功の可能性は上がります。
企業研究者が社内異動になった場合まとめ
- 企業研究者が社内異動になる背景の1つは、会社の方針転換や部門縮小など
- その個人に経験を積ませ、会社の一員として育成する目的での異動もある
- これまでのスキルを応用できる場合や、新たなスキルに対して期待ができる場合は、異動先の業務を続けられそう
- そうでない場合には転職という方法もあり、まずは同業他社への転職が考えられる
- 異動の少ない環境に転職したい場合は、外資系、研究所、アカデミアなど
研究職が天職だと感じている人には、他の異動はストレスにもなりますよね。転職する場合にはエージェントをしっかりと利用し、他社の異動状況もチェックできるといいですね。
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