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医学研究者の給料はいくら? 大学と企業で違いはある?

医学研究者の仕事
  • 「医学研究者になりたいけれど、給料はどのくらい?」
  • 「生活していけるか不安」
  • 「アカデミアって給料が安いって聞くけど本当?企業就職と違いはあるの?」

これまでの記事で、医学研究者になるためのキャリアパスや、選択肢としての企業就職などについて解説してきましたが、気になる給料に違いはあるのでしょうか。

今回は、キャリアパスや年齢にそった給料の変化や、大学と企業との違いについて解説していきます。

一人前の医学研究者になれる目安は30歳


自立した医学研究者として研究活動を行うにあたって、大学院博士課程を修了し、博士号を取得していることが一つの要件となります。

4年制大学を卒業→大学院修士課程を修了(2年)→大学院博士課程を修了(4年)と、ストレートに進んでも30歳手前となることがほとんどです。
この間、学費を納め続けながら、アルバイトの給料や奨学金などを使いつつ、博士号取得までを目指します。
アルバイトもやりすぎると本業の研究を行う時間が削られてしまうため、最低限の生活費を稼ぐためだけに行っている場合がほとんどです。

ラッキーな場合は学振などに採択され、給料をもらいながら大学院の研究活動を行うことができますが。この場合は250万円程度の給与をもらうことができます。

博士課程を修了し、博士号を取得できれば、ようやく一人前の「研究者」として働くことができるようになり、給料をもらうことができます。

医学研究者の給料はいくら?

一人前の医学研究者になるまで(30歳頃まで)はアルバイトや奨学金程度となってしまうことを解説しましたが、博士号を取得して医学研究者となった場合の給料はどのくらいなのでしょうか。

医学研究者として働く場合、大きく分けて3つの選択肢があります。

  1. アカデミアでポスドクとして雇用
  2. アカデミアで大学教員として雇用
  3. 企業に研究者として就職

それぞれについて、もうすこし詳しく解説していきます。

ポスドク:大学で研究活動を行う場合の給料

博士課程を修了後は、「ポスドク」と呼ばれる博士研究員として研究室に雇用されるか、教員として大学に雇用されることが一般的です。正規の教員のポストは限られ、なるのに多くの実績が必要とされることも多く、ポスドクを経験するケースが多くなっています。

30代ですとポスドクの給与は平均して300〜400万円程度となっています。財源や待遇にもよるのですが、少ない場合は250万円程度、多い場合で500万円程度となっています。
ポスドクとして働く場合は、
・雇用の年限が限られている(3〜5年程度)ため、雇用が終了する際に次の職を見つけないといけない。
・ボーナスや退職金の支給がない。
・福利厚生が限られている。
など、いくつかの注意点があります。

年金や住宅手当、交通費や時間外手当てなども通常ないため、給与として提示されている金額からも出費が多く、低めの水準となっています。

大学教員:大学で研究活動を行う場合の給料

大学に教員として採用されると、ポスドクよりは給与面で優遇されます。
助教、(講師、)准教授、教授と昇進していくのが一般的な流れです。

大学の助教の平均年収は600万程度、准教授で800万程度、教授で1000万程度となっています。
ポスドクと比べて大きな違いは
・ボーナスや退職金がある。
・年金、住宅手当、交通費などの支給がある。
点が挙げられます。

一方、裁量労働制と見なされる場合が多く、時間外労働については手当ての出ないことが一般的です。

30代で正規の助教として採用されればラッキーですが、中には40代になってもポスドクとして研究に従事している人も少なくありません。
また、助教についても任期制の場合が多く、3〜5年の任期終了時に再任、または昇進する必要があります。再任回数にも制限のある場合がほとんどで、ポスドクよりは恵まれていますが、まだまだ不安定な立場と言えます。
教授と一部の准教授については終身雇用となり、安定した立場と言えるでしょう。しかしながらポストの数は限られており、うまくキャリアを全うするにはかなりの研究成果が要求されます。大学にもよりますが、同水準の給与の一般的な職業に比べると、研究、研究費の獲得、学部生や大学院生への教育、学内や学会での雑用など労働時間は長めの傾向があります。

企業:医学研究者が企業に就職する場合の給料

医学研究者として企業に雇用される場合でも、博士号取得が要求されることが多く、30歳付近までは前述のアルバイトや奨学金などを収入にしながら学費を払い続けていくことになります。

その後、医学研究者として企業に採用された場合、勤続年数や会社の規模にもよりますが、年収500〜1000万円程度が一般的です。
ポスドクや助教と違い、正職員の場合基本任期はありません。30歳付近で安定した雇用が得られることが、まず大きなメリットと言えます。
また、ボーナスや時間外手当ても支給され、成果によっては昇給も見込めます。住宅手当や交通費なども支給されるため、金額的にも大学で勤務を続けるよりは早くに安定した生活を送ることができそうです。また、若い年齢から正職員となることで、年金の支給額や退職金が多くなるというメリットもあります。

会社そのものが経営悪化で倒産してしまうリスクはありますが、経済的に安定しつつ医学研究者を続けたい場合は選択肢の一つにはなるでしょう。

特殊なキャリアとして、修士号を取得後に研究と関連した一般企業に一旦就職し、その後社会人大学生として大学院博士課程に進学する方法があります。ストレートに博士課程に進むよりは年齢が上がってしまうこと、研究に専念できる時間が限られてしまうことがデメリットですが、収入や雇用の面ではかなりメリットもあると言えます。博士号を取得し医学博士として研究活動を行いたいが、経済的な理由で悩んでいる場合は、修士号取得後に一度企業就職をしてから考えて見るのも良いでしょう。

まとめ


今回は大学と企業でそれぞれ医学研究者として活動していく場合の、給与の変化について解説しました。

給与と雇用条件のみで比較すると、企業就職の方が比較的若い年代で雇用が安定すること、給与水準や福利厚生のレベルが高いなどの特徴があります。

他記事で解説しているように、大学には大学の良さがあるのですが、企業就職もメリットはたくさんあるので、今後の働き方の選択肢に入れてみて欲しいと思います。

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