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ポスドクや非常勤研究員の生き残りキャリアプラン 40代になるまでに準備したいこと

ポスドク・非常勤講師の仕事
  • 「最先端の研究がしたい!」
  • 「将来はノーベル賞をとりたい!」

と考えている人は、大学の教授に憧れますよね。

ただ、大学の教授になれる人は研究者の中でも一握りであり、とても狭き門です。

博士号を取得してからポスドクになって、研究者人生がスタート!と思っても、なかなか教授になることができません。

教授になるまでには、膨大な努力と成果の積み重ねが必要。

そこで、この記事ではポスドクや非常勤研究員が40代になるまでに準備したいことを紹介します。

ポスドクや非常勤研究員の理想的なキャリア

学士課程4年もしくは6年、修士課程2年、博士課程3年を経て博士号を取得した後にポスドクや非常勤研究員になります。

18歳で大学に入学したとすると、博士課程修了後には27歳となっています。

その後、ポスドク→助教→講師→准教授→教授とステップアップしていきます。

文部科学省令和元年度学校教員統計調査によると、大学教員の各役職における平均年齢は、教授58歳、准教授48歳、講師45歳、助教39歳となっています。

平均年齢から考えた一つの目安ですが、

  • 30代前半:助教
  • 30代後半:講師
  • 40代前半:准教授
  • 40代後半:教授

になることが理想的なキャリアと推測できます。

また、60歳以上の准教授は10%以下であり、この中には教授に昇進する前に定年退職する人もいることが予想されます。

つまり、准教授になれた人のほとんどが教授になれると考えられます。

一方で、大学教員のポストは年々減少しており、東京大学や京都大学を卒業している優秀な研究者でもなかなか常勤や任期無しのポストにつけていない状況です。

そのため、理想的なキャリアを描くことは非常にまれです。

 

自分の好きな研究を続けるために!アカデミアで生き残るために!年齢別に準備すべきことを確認していきましょう。

20代後半:ポスドクになってからがスタート!まずは助教を目指す!

ポスドクや非常勤研究員は、企業にあるような保険や手当が一切なく、数年の雇用で次の職を探す必要があります。

また、雑務を任せられることもあり、研究が十分にできる環境ではありません。平均年収は約300万円程度と言われており、生活にも余裕がない状態です。

一方で助教になると、プロジェクトが採択される可能性が高くなり、代表者として研究に専念することができます。

また、平均年収は約500万円に上がり、生活の余裕が出てきます。そのため、ポスドクになってからはまず助教を目指しましょう。

助教になるための目安として、

  • 論文:5~6本
  • 国内外の学会発表:1年に3~4回継続的に参加
  • 競争的資金の獲得:日本学術振興会 特別研究員(PD)など

が挙げられます。

博士後期課程修了までに2~3本の論文が出版されていれば、ポスドクや非常勤研究員の間に年間1報が目標となります。

学会発表は、1年おきに開催されているものが多く、複数の学会に継続して参加することが重要となります。

また、学会は他大学の教授や准教授と知り合える機会でもあるので、コミュニケーションをとっていきましょう。

30代前半:助教になれれば、次は講師を目標に!

助教でプロジェクトに採択されるようになると、自由に研究費を使うことができるため、成果を大幅に増やすことができます。

また、プロジェクトには専念義務があるため、研究に没頭することができます。助教の次は講師や准教授を目指すことになりますが、出版している論文数によってかなり評価が決まるそうです。

そのため、年に23=半年に1を目標に論文の出版を目指しましょう。

他にも、研究実績として指導歴も重要視されるようになります。

そのため、実習や演習形式の講義はなるべく引き受け、少しでも指導歴をつけておきましょう。

30代後半:講師になると研究と講義の両立が大変!

講師になると、立場は准教授よりも下ですが、准教授と同等の仕事内容が求められます。

助教までは、研究に専念することができますが、講義や大学運営、所属研究室の学生指導を行うようになるため、研究に割ける時間が大幅に減ります。

特に、講義には授業時間以外の準備時間がかなり多いため、研究との両立が大変になります。その中でも成果を出す必要があり、仕事量がこれまでとは桁違いに増えます。

しかし、ここが踏ん張りどころです。

研究成果を出す方法として、

  • 学生の指導を通して得られた成果をまとめる
  • 他の研究グループと共同研究を行い、研究を分担する
  • プロジェクトの予算でポスドクを雇う

などが挙げられます。

講師になるまでに築き上げた経験や人脈を活かして、スマートに成果を出すことがコツです。

番外編:今からやっておくべき!修士課程や博士課程でできることは?

「将来、大学に残って好きな研究をしたい!」と考えている修士課程や博士課程の学生にもできることはあります。

大学教員のキャリアにおいて最も重要なことは研究成果であるため、学生の間から学会発表に参加したり、論文を出版したり、成果を増やしていきましょう。

参考までに、この記事を書いている筆者は、

  国際学術雑誌 国際会議 国内学会
学士課程4年次 1回
修士課程1年次 1報(第三著者) 2回 1回
博士課程1年次 1報(第三著者) 3回(うち共著1回) 6回(うち共著5回)
博士課程2年次 2報(第一著者) 1回 1回(うち共著1回)
合計 4報 6回 9回

の成果を出しており、博士課程修了後にポスドクを経て、助教に採用されました。

教授や准教授にとって、やる気のある学生は貴重であり、研究に真摯に取り組むことで成果が出るように多くの指導をしてもらえます。

また、そのやる気はキャリアを積む中でも必要な素養であるため、学生のときから磨いておくのがおすすめです。

まとめ

この記事では、ポスドクや非常勤研究員のキャリアプランを紹介しました。

  • 理想的なキャリアは、30代前半で助教、30代後半で講師、40代前半で准教授、40代後半で教授になる
  • まずは助教を目指す!年に論文1報、学会にも継続的に参加する
  • 助教になれば、研究に専念し、成果を増やしていく
  • 講師になると講義との両立が大変 これまでの経験を活かして、効率的に成果を出す!
  • 学会を通して教授や准教授と知り合うことができる
  • 将来に向けて修士課程や博士課程からできることもある

好きなことを仕事にできる研究者は、憧れられる存在ですよね。

一方で、ポジションの競争が激しく、常に成果を出し続ける必要があります。

この記事で書いた目標を参考に、アカデミックの世界で活躍することを願っています。

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