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ポスドクの転職理由とは アカデミアを辞めた研究者の意見まとめ

ポスドク・非常勤講師の仕事

ポスドクというと「研究者としての第一歩を踏み出している」という印象もありますが、中にはアカデミアを辞めて転職したくなる人もいるものです。

実際、これまでに民間企業に転職をしたポスドク研究者は多くいます。
そこでは、通常の転職とは少し違った、ポスドクならではのさまざまな事情が背景になっています。

この記事では、アカデミアを辞めて転職をした元ポスドク研究者が、いったいどんな理由で転職を決めたのか、私が見聞きしたものも含め、実例とともに紹介していきます。

安定した雇用のため、メーカーへ

転職ストーリー

エリートネットワークの転職体験記からの引用です。
(https://www.elite-network.co.jp/voice/entry-74729.html)

物理学の分野でポスドクをしていた男性の話です。
彼はポスドク研究員を続けながら博士論文を提出し、無事に博士号を取得しました。

しかし、博士論文の審査が長引いたことから自らの研究者への適性を疑問視するようになり、さらに、学生として「お金を払って大学で研究すること」とポスドクとして「研究を仕事としてこなすこと」のギャップに気づき、それを埋められなくなったと振り返っています。

そしてポスドクという不安定な立場にも辛さを感じるようになり、転職を決意します。

転職活動をする上では、企業や業種にはこだわらなかったそうです。
結果、データサイエンティストとしての転職を果たしました。

転職理由

ここでの転職理由は、1つは自分自身の研究者としての適性への疑問でした。

現在バリバリに研究をしている研究者でも、「自分は研究者に向いていないのではないか」と一度は思ったことがあるはずです。
この疑問を持つこと自体は珍しいことではありません。

が、この男性の場合、「仕事としての研究」への違和感が重なっていったのですね。

さらに単年度契約のポスドクであったことも転職のきっかけとなりました。

プロジェクト単位で雇用されていると、ほんの1年後の研究者人生が、そのプロジェクトが次に資金を獲得できるかどうかにかかってきます。
それでもポスドクを続ける選択肢もありましたが、彼は安定を望んだのですね。

転職後のことまではわかりませんが、納得のできる生活を送っていることを祈ります。

生活の安定を求めて学習支援業へ

転職ストーリー

続いては私が知人から聞いた、英語学を専攻していたある女性研究者の転職ストーリーをご紹介します。

彼女は研究のために大学院留学をした経験もあり、充実した研究生活を送っていました。
博士課程を修了した後もすぐに非常勤講師の職をいくつか持つことができ、これからの研究者人生も順調に進んでいくかに思われました。

しかしその後、専任教員のポストに何十回となく応募するも採用までたどり着くことができず、転職に至りました。

彼女は、英会話など語学教室を運営する企業に複数エントリーし、そのうちの1つに転職することになりました。

結果的に年収が上がり、また休日が確保できるようになったことから、以前よりも英語に関する学びを深めたり、英語を楽しんだりする時間が確保できるようになったそうです。

転職理由

この女性の場合、転職理由は「生活を安定させるため」でした。

文系の専任教員は倍率がとても高く、数十回以上の応募を続ける人もざらにいます。

非常勤講師の職のみで生活していると、給料が安いということだけでなく、単年度契約のためいつ打ち切られるかわからないという不安と常に隣り合わせの生活です。

正社員としての転職を果たしたことで、給与の安定だけでなく保障を得ることができました。

さらに彼女にとってメリットとなったことが、上がった年収と人並みの休暇を利用して、自分の専門分野をより深められるようになった点でした。

こうした点でも、生計維持という意味にとどまらない安定を手に入れることができました。

アカハラを逃れて宗教法人へ

転職ストーリー

これは私の知るある哲学研究者の男性の話です。

彼は、博士課程に長く在籍して博士論文に取り組んでいましたが、同時に研究室でのアカハラ・パワハラにも悩まされていました。

結果、博士号の取得に至ることが出来ず、そればかりかうつ病を患うまでになってしまいました。

苦しい状態にありながらも、彼は博士課程在籍中から非常勤講師の職をいくつも持ち、教えることで生計を立てていました。

専任教員への応募も続けていましたが、博士号を取得していることが条件になっている公募がほとんどで、専任教員への道は閉ざされたも同然でした。

結果、彼は転職を決意し、伝統的な宗教法人への就職を果たします。
この宗教は、彼の心を救ったものの1つでした。

今ではうつ病も完治し、仕事を続ける傍ら、趣味として研究に関わる本や論文を読んだりしているそうです。

転職理由

彼は専任教員になる可能性が低くなってしまったと判断し、転職を決意しました。
その背景にアカハラやパワハラがあるというのは非常に嘆かわしいことですし、あってはならないことです。

しかし、実際にこうしたハラスメントを経験して研究者人生を絶たれる人はそれなりにいます。

精神的に辛い状態にある中での転職活動は大変だったはずですが、結果的に転職が人生を変えるきっかけになりました。
結果的に自分の関心の延長線上での転職が叶い、うつ病の克服にも至ったことは大きいですね。

ビジネスの視点を求めて、データアナリストへ

転職ストーリー

エリートネットワークの転職体験記からの引用です。
(https://www.elite-network.co.jp/voice/entry-81857.html)

工学系で持続可能な社会の実現のための研究をしていたある男性の転職体験です。

この男性は研究を続ける中で、自分の研究にはビジネスの視点がもっと必要であることに気づきました。
そこで、ビジネスの視点から自らの研究に関する問題を考えるため、転職を決意しました。

転職活動はコロナ禍だったため苦労もあったようですが、もともとの関心や専門性をぶらすことなく、持続可能な社会の実現を推進する企業への転職を果たしました。

転職理由

転職する場合というのは、ネガティブな理由がやはり多いです。
ポスドクに限らずですが、仕事内容や給与、人間関係、ワークライフバランスなどへの不満が転職理由になりがちです。

そんな中で、自身の課題への接し方に新たな視点を取り入れたいという、ポジティブな理由での転職となりました。

ポスドクから民間企業を目指す際、自分の専門に直結する職を見つけることはなかなか難しいのが現実です。
彼もいくつもの企業の面接を受けたようですが、やはりマッチングを成功させることやうまくアピールするためには、自分に合った転職エージェントを利用が不可欠だったようです。

文系研究者の転職実例まとめ

  • ポスドクという職は非常に不安定で、収入・生活を安定させることが転職理由になりやすい。
  • この他、研究者人生の継続の難しさ、仕事としての研究への違和感なども転職のきっかけになる。
  • ハラスメントを受けて博士号が取れなくなり、転職を余儀なくされるケースもある。
  • 中には研究に対する新たな視点を求めて転職するという事例もある。
  • 転職後も趣味として研究を続けることができる。

ポスドクの辛さが滲み出るような事例も含めてご紹介しました。ポスドクの転職には専用の転職エージェントの利用がおすすめです!

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