文系研究者として大学で働いていても、
- 「人間関係で悩んでいる…」
- 「任期付きだからそろそろこの状況から抜け出したい」
- 「雑務が辛い…」
など疲れて転職したくなることもあります。
では、もし転職するなら、どのような職業がよいのでしょうか?
どうせなら自分のスキルや特性が生かせる職業がいいですよね。
この記事では、文系研究者が転職するのにおすすめの職業を5つ、実例とともに紹介します。
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文系研究者が転職するのにおすすめの職業5選
文系研究者の転職には、以下の5つがおすすめです。
- 学習支援業
- 出版業
- 図書館員
- IT系・WEB系エンジニア
- 学芸員
どの職業も今まで培ってきた能力を充分活かせる職業となっていますね。
それでは一つずつ実例・転職ポイントも含めて紹介していきます。
学習支援業で教育経験を活かす
よく聞くのが、塾講師や個別指導講師、語学講師などの学習支援業です。
実例
哲学系研究者のある男性は、個別指導講師に転職しました。
非常勤講師として長く働いてきたけれども生活が安定しないことから、転職に踏み切ったようです。非常勤講師としても教えるということを長くやってきた彼には、教育以外の選択肢は考えられなかったとのことでした。
また、学部生時代から塾講師や個別指導講師のアルバイトをしており、その経験も転職先を決める後押しになりました。
しかし、研究者としての夢を捨てたわけではなく、論文や本を読むなど、研究活動も継続しています。
転職ポイント
これまでも若い学生に「教える」ことをしてきたので、授業準備をして教える、という仕事ならばこれまでの延長で考えられます。
研究者になる人の中にはアルバイトで教える経験を積んだ人も多いので、教え方や接し方の感覚も持っていることでしょう。
塾講師や個別指導講師は常に需要があります。
これらは大学生や大学院生を中心にしているので、卒業や就職活動などでやめると人を補わなければなりません。
夏や冬には講習もあります。
基本的に、会社を選ばなければ転職は難しくないでしょう。
この他、特定の言語を教える語学講師や院試対策の個別指導などの職も少ないですがあります。
出版社勤務で人文研究者の強みを活かす
出版社にて、今まで培ってきた人文研究者としての強みを活かす方もいらっしゃいます。
実例
また別の哲学系研究者の男性は、出版社への転職を成功させました。
非常勤講師としての生活を続けた後、少し異なる分野でポスドクをしていましたが、自分の分野での就職が難しいことから、転職を模索したそうです。
そして、出版社での編集の職を選びました。
自身が本好きなことから、本に関わる仕事をしようと考えた結果でした。
彼の職場は残業が少ないそうで、夜は自分の好きな本を読むことに没頭できるのが最高なようです。
転職ポイント
編集の仕事には緻密さ・丁寧さが求められます。
彼は哲学研究者として文献を精読することを常日頃から行っていたので、それを基に自己アピールしたことで転職成功に繋がりました。
また、残業が少ないことや休日があることで、哲学やその他いろいろな分野の専門書を自由に読む時間があり、仕事・プライベートともに知的刺激を絶やさず生活できているようです。
図書館員として本に囲まれた空間で働く
出版社と同じく本に関わる仕事の1つが、図書館員です。
実例
言語学系の非常勤講師をしていたある女性は、図書館員に転職しました。
彼女は留学生として日本の大学と大学院に通い、そのまま日本での就職を試みていました。
しかし、思うように専任教員のポストに就くことができず、安定を求めて図書館員になったそうです。
図書館員を選んだ理由は、自由時間があることと、日々本に触れることができるからだそうです。
実際、カウンター業務をしていて利用者が来ない間は本が読めるのが何よりも嬉しいと話していました。
ただ、月給が高くないので副業が必要で、副業として大学の非常勤講師を続けています。
転職ポイント
図書館員になれば1日何時間も本に囲まれて仕事をするので、とても刺激になりますね。
図書館に行くとカウンターの人が本を読んでいるのを見かけますが、やはり利用者がいない時は本を読むことができるとか。
好きなものに触れて自由もある一方で、収入が高くないのは少し厳しいかもしれません。
もちろん、いつ契約を切られるかわからない非常勤講師だけをしているよりは安定していると言っていいでしょう。
パソコンが好きならIT系、Web系エンジニア
パソコンの知識を持っている方が、理系のIT系・Web系エンジニアに転職した例も稀にあります。
実例
社会学系のポスドクをしていたある男性は、WEB系エンジニアに転職しました。
彼はまだポスドクとして働き始めてあまり年数が経っていなかったので、驚いた記憶があります。
転職の理由は聞いていないのですが、人生に思うところあったのでしょう。
彼はプログラミングなどができるわけではありませんでしたが、もともとパソコンそのものには強く、文系にしてはかなり使いこなしていました。
転職後も周りの理系の人たちに混じって能力を発揮していると聞いています。
転職ポイント
パソコンがある程度得意であれば、文系でもWEBエンジニアになることができます。
もちろん事前にスキルをある程度身に付ける必要はありますが、あとは研修やOJTを通してスキルを伸ばしていきます。
もともとパソコンが得意だったことに加え、とても柔軟な性格をしていた彼だったので、未経験分野への転職を成功させることができたのでしょう。
エンジニアの仕事は日々拡大し、技術が進歩していくので、人材は常に求められています。
それらに対応できるスキルと柔軟性があれば、文系でもエンジニアは夢ではありません。
ポスドクからの転職ならば年収も上がることでしょう。
学芸員として専門知識を活用
専門の分野に携わる仕事に転職される方もいらっしゃいます。
実例
大学で美術系の助手をしていた女性の話です。
彼女はやっとの思いで助手の職に就くことができたのですが、事前に提示された条件と実際の仕事内容があまりに異なり、事務仕事がメインでした。
また昇進の可能性もゼロだったことから、転職に踏み切りました。
転職先は財団で、美術関連の学芸員です。
学芸員資格を既に持っており、美術で博士号を取得していたこと、その他さまざまな素養や関心を生かして転職に成功したそうです。
転職ポイント
学芸員になるには、当然ながら学芸員資格が必要になります。その分野の学部を卒業している人は、多くが学部生時代に学芸員資格を取得しているので、資格を生かすことができます。
また、学芸員の求人には調査研究を行うというものもありますので、大学所属でなくとも調査研究ができるのは大きなポイントです。求人は多くはないですが、歴史、美術、博物館、民俗など、それぞれの分野で確実に定期的に募集はあります。
現在、こうした分野にも科学技術が導入され、新たな知見を生んでいます。そういった点からも、求人がなくなることはないでしょう。
さらに、この女性の場合はそれらの専門スキル以外の面でもマッチングが成功しています。
転職カウンセラーに自分のアピールポイントを引き出してもらったのが成功に繋がっています。
文系研究者におすすめの転職まとめ
- 学習支援業が人気で、大学で教えるということの延長で仕事ができる。
- 本が好きで丁寧さ、緻密さがあれば出版社がおすすめ。
- 図書館員も本に触れる仕事だが、収入はあまり高くない。
- エンジニアは文系で未経験でも、パソコンへの慣れと柔軟性があればなれる。
- 資格があれば学芸員もおすすめ。研究も続けることができる。
いずれの職も、研究者としての知識や経験、スキル、姿勢などを生かすことができます。
また、転職後も自分の研究やそれに関連することを続ける人もいて、とても魅力的な転職の仕方ですね。
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