大学院生になると、学会で発表する機会が与えられますよね。
その時、「学会賞」や「奨励賞」など、優秀な発表には賞が授与されます。
賞がもらえると聞くと、「自分も取りたい」「どうしたら取れるんだろう、きっと取れたら就職にプラスになるよな・・・」なんて思ったりするものです。
しかし、学会によっては学会賞が既にコネで決まっている場合があるのです。
この記事ではまず、学会賞の実態を紹介します!
そして、学会賞が取れない場合、コネがない場合にどうやって実績を積んでいくのか、解説していきます!
学会賞とは?取ると有利?
学会賞とはどんな人が受賞するもので、受賞すると有利なのでしょうか?
学会賞とは
学会賞とは、その学会において「優れた研究」に対して授与されるものです。
学会によって賞が授与される基準はさまざまです。
対象となる研究のタイプは以下のようなものがあります。
- その分野の発展に貢献している研究
- その分野の教育に貢献している研究
- 若手の中で優れた研究
また、業績の種類によって分かれていることもあります。
- 優れた学会発表
- 優れた掲載論文
- 優れた著書
候補者になるのは、自薦・他薦いずれもあります。
しかし、分野によってはコネで授与者が決まっていることがあります。
場合によっては先々の授与者が決定されているなんてことも・・・。
具体的には、学会の重鎮とコネがある人が授与されるとか、研究室が持ち回りで授与されているといったケースです。
コネとは言い切れなくても、有名な教員の院生ばかりが受賞しているということもあります。
これは、有名であったり権力のある教員のところには研究費が集まり、研究環境が整い、人脈が形成されるからです。
そうした教員の院生になれれば、結果を出せる環境にあり、人脈を作ることもできて、内外から何かと目をかけてもらいやすく、受賞につながりやすい状況となります。
学会賞を取ると有利?
学会賞を取ると、「ある程度は有利」にはなります。
周囲と比較して能力や業績が抜きん出ているわけではなくても、学会賞があることで専任教員への就職につながったという人もいます。
しかし、当然ながら、学会賞さえあれば必ず就職できるというわけではありません。
学会賞を取っていても長い間任期付きポスドクをしている人や、非常勤講師を続けている人もいます。
業績の質・量、応募先とのマッチング、教育歴や教育上のスキルが重要になってきます。
それでも、同じくらいの力量の人がいた場合、学会賞を取っている方が採用されるということはあるでしょう。
では、学会賞が取れない場合にどうやって実績構築をすればよいのでしょうか。
学会賞が取れなければどうする?
学会賞が取れなければお先真っ暗・・・なんてことはありません。
大学院生の実績構築
大学院生の実績構築として、まずは学会発表と論文執筆に力を入れることです。
学会発表は、一度は国際会議での発表を経験しておくのがおすすめ。
自信がなければ最初はポスターでもOKです。
また、環境が許せば、外部の研究者との共同研究をすると実績になり、勉強にもなります。
そして、教育上のスキルを磨いておきましょう。
大学の非常勤講師の職というのもコネで回ってくることが多いのですが、回ってこない場合、塾講師や個別指導という選択肢もあります。
教員免許を持っている人は、中学校や高等学校での非常勤講師もいいですね。
正当な評価を受けられる環境へ
もし、自分が正当な評価を受けられていないと感じるならば、評価される環境へ移るという方法もあり。
研究室や学会という狭い業界の中では、力関係が先行してしまうこともあります。
結果的に力で負けてしまうと、就職にも大きなマイナスに…。
同じ研究を続けるならば、企業研究職に転職することも選択肢の1つです。
特に大企業では人事評価などのシステムがしっかりしており、誰か1人の視点からのみ評価されるわけではありません。
せっかく好きで始めた研究なので、正当な評価が受けられる環境でスキルを発揮する方が自分にもプラスですし、企業にとってもプラスになるはずです。
学会賞と実績構築まとめ
- 学会賞は優秀な発表や論文に授与されるが、コネで受賞する人が決まっていることもある
- コネとは言えなくとも、有名な教員の院生が受賞しやすい傾向にある
- 学会賞があれば就職にある程度有利に働く
- 学会賞が取れない場合でも、国際学会での発表や論文、共同研究に業績を積む
- 教育上のスキルアップも必要
- 正当な評価を受けられないと感じた場合、民間への転職もあり
学会賞がコネで決まるか正当に決まるかは、分野や学会によるところがあります。気になる場合は先輩に聞いてみたり、過去の受賞者を調べてみるといいですよ!
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